キリンチャレンジカップ vsアルゼンチン 1-0○ @埼玉スタジアム2002 19:50 KickOff

日本:岡崎(前半19分)
アルゼンチン:-


大金星!と言いたいところだが、試合を見ている限りでは金星という感じはしなかった。あれだけ質の高いハードワークを続けていたわけだし、たとえばこの試合のVTRの日本代表選手をスペイン代表なりイングランド代表にそのままそっくり入れ替えて見てみたら、もしかして全然驚かないんじゃないだろうか。やっているのが日本代表であるという偏見があると「まさかの」勝利という感じがするだろうけど。
まず得点シーンから。あの場面でミドルを、しかもあの高さで放った長谷部が素晴らしい。今までの代表にはそれほど見られなかったパターン。おそらくドイツでの経験上、あのようなミドルを打てば何かが起きうるということが彼には分かっていたんだと思う。ミドルを打つとその瞬間相手選手の足は止まる。そこでその球をキーパーが弾いて、さらにそこへ味方選手が走り込んでいればチャンスは決定的なものになる。岡崎のあの詰めは、その意味で本当に素晴らしかった。エスパサポとして見ていなくてもあれはほめるべきだと思う。その前にも内田のクロスに飛び込んだいい場面があったけど、ああいうところでちょっとしたずらし(瞬間的な相手GKの位置確認と判断)ができるようになれば、世界レベルで通用する選手になれるんじゃないかという気がした。TVの副音声でも、レオナルドさんが「Muito bem」って繰り返しほめてたね。守備にも奔走して、本当に今日はキレていたと思う。攻撃で言うと、あとは途中で出てきた前田ね。キープ力、シュート力を兼ね備えたFWという意味では、やっぱり彼は代表に必要だと思う。最後のところで、ちょっとした運が足りなかっただけだな今日は。(あ、ちなみにこういうところで、ジュビロの選手だからというような偏見に満ちた話はしませんよ僕は)。
そしてやはり守備をほめずにはいられない。まだ公式記録は見ていないけれど、アルゼンチンの選手が放ったシュートはほとんど枠に行っていないんじゃないだろうか。メッシのFKを素晴らしいセーブで川島が防いだ場面があったけれど、本当に危なかったのって実はあそこだけだったりして。これはつまり最後の最後までディフェンスラインが集中力を切らさず、相手にボールを持たせたとしても一番クリティカルなコースは(ギリギリになっても)ふさぎ続けたということだろう。エスパサポとしては本田拓也を見たかったけど、ちょっと今日のディフェンスはそのためには完成度が高すぎたね。すばらしかった。
あとは、前線でもうちょっとだけボールがおさまる率が上がってくれば、2014年に向けてかなり希望が見えてくる気がする。今回代表に選ばれてないJリーグの若い選手は、本当にがんばらないとまずいぞ〜。それこそ長友並みに短期で実力を上げないと、きびしいものがあるぜ。


それにしても、今日得点シーンはなかったけれど、メッシは素晴らしい選手だね。どこがすごいのかって思ってよーく見ていると、実は彼そんなに難しいテクニックを用いてるわけじゃないことが分かった。実にシンプルにボールを扱ってる。でも、とにかくスピードがあるんだな。体の強さもあるけれど、あれぐらいのスピードがあればどうやら小難しくてトリッキーなプレーは実はいらないみたい。そういう意味で、彼はやっぱり別次元の選手なんだろう。本当に、いいものを見せてもらいました。